伝染病による災害｜自然災害

伝染病は、病気を起こした個体から病原体が別の個体へと到達して、連鎖的に感染者数が拡大する感染症の一種です。
感染経路の究明が進んでいない近代までは、ヒトや家畜など特定の動物種の集団内で同じ症状を示す者が短時間に多発した状態をさしていたため、現在でも「集団感染」との混同が見られます。

社会に感染者がいると伝染によって次々と感染者が増える可能性があることから対策には社会的な対応が必要となり、公衆衛生学などによって患者の隔離などの予防対策がされます。

社会基盤に打撃を与えるほどの被害を及ぼした伝染病は疫病と呼ばれます。
歴史上はペスト・スペイン風邪などの重大な伝染病が流行して非常に多くの死者を出したことで有名です。
また、天然痘は撲滅されるまでのあいだ長期にわたり、全世界で死者を出し続けてきました。

古代ギリシアのペロポネス戦争初期にアテナイを襲った疫病は指導者・ペリクレスをはじめとする多くの市民を死に至らしめて、劣勢に追い込まれる一因となりました。

日本では737年（天然痘）と995年（はしか）に大規模な伝染病が都を直撃して、政府高官が多数死亡して政治が麻痺状態に陥りました。

14世紀のヨーロッパで流行したペストは当時のヨーロッパの3分の1が死亡しました。

スペインかぜは1918年から翌年の1919年にかけ、全世界的に猛威を振るったインフルエンザの一種です。
感染者６億人、死者４０００～５０００万人。

トリインフルエンザは2005年に世界的に流行し養鶏業に大打撃を与えました。

馬インフルエンザは2007年に流行の阻止のため日本では競馬や馬術競技の大会が中止されました。